在留資格

建設キャリアアップシステム(CCUS)が示す、労働の新しいカタチ

特定技能(建設分野)の要件を精査していて、初めて知った言葉があります。

CCUS——建設キャリアアップシステム。

建設業界に従事する職人さん一人ひとりにICチップ内蔵のカードを発行し、現場でタッチすることで、いつ、どこで、どのような立場で働いたかを客観的に記録していく。保有資格や経験年数に基づいて、技能レベルを見習い(レベル1)から登録基幹技能者(レベル4)まで4段階で判定する。外国人だけでなく、全ての職人が対象です。

正直に申し上げて、驚きました。

背中を見て技を盗む、そんな世界だと思っていました。ところがこのシステムは、職人の技能を客観的に可視化し、蓄積されたデータに基づいて正当な評価——給与や処遇——へ繋げようとしている。

これは、建設業界だけに留めておくのは本当にもったいないのではないか。

日本の雇用は長らくメンバーシップ型でした。企業への帰属度合いが評価の中心にあり、人間関係が評価軸に大きく影響する。その結果、適切な評価が担保されにくい。働きがいも、その先にある幸福も、約束されにくい仕組みだったように思います。

CCUSは、この古い仕組みからの脱却を、建設業界という具体的な現場で実装しています。スキルと経験が客観的に可視化され、それが正当な評価と給与に直結する。同じ仕組みが社会全体に広がれば、日本の働き方は根本から変わるはずです。

もちろん、課題もあります。CCUSの登録手続きは煩雑だと聞きますし、可視化された情報を実際の評価や給与へ繋げるための雇用制度の設計は、これから議論されるべき大きな論点でしょう。

それでも、この仕組みが切り拓こうとしている方向性には、確かな希望を感じます。

在留資格に携わる者として、進化しようとしている建設業界を、これからも追いかけていきたいと思います。

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