
学びが拓く新たな視界
私たちサラリーマンにとって、日々の業務や生活の中で「学ぶこと」は非常に重要です。そして、学ぶことは単に知識が増えるだけでなく、これまで自分が見えていなかった世界を鮮明に見せてくれる力があると感じています。改めてそのことを実感しています。
電気工事士の勉強でホームセンターが変わった
例えば、私は以前、電気工事士の勉強をしたことがあります。それまでは、家の壁にあるコンセントや照明スイッチなどは当たり前の風景でしかありませんでした。しかし、勉強を始めてからはどうでしょう。ホームセンターの電設資材コーナーが、驚くほど広大な面積を占めていることに初めて気がついたのです。これまで前を通っても全く視界に入らなかった場所が、突如として「見える」ようになった。この不思議な感覚は、勉強がもたらす視野の広がりを象徴していると思います。
次に取るべき行動:サイバーセキュリティへの意識
この「見えていなかったものが見えるようになる」という経験を、今まさに私が強く意識している分野があります。それが「サイバーセキュリティ」です。現代社会において、私たちの生活や仕事はデジタル技術と深く結びついており、それに伴うリスクも増大しています。この見えないリスクを「見えるようにする」ことが、喫緊の課題だと感じています。
見えない脅威と効率的な防御策
もちろん、プロの攻撃者が本気で狙う場合、完全に防御することは極めて難しいと言われています。しかし、攻撃者もまた効率を重視します。高度なセキュリティ対策が施されている場所をあえて時間をかけて狙うよりも、防御が手薄な場所を狙う方が、コストパフォーマンスが高いからです。つまり、私たち一人ひとりが自身の、あるいは組織のサイバーセキュリティレベルを高めることは、攻撃対象として選ばれにくくするための非常に効果的かつ現実的な防御策となり得るのです。この考えに至り、サイバーセキュリティについて深く学ぶことを決意しました。
具体的な目標:情報処理安全確保支援士への挑戦
具体的な目標として選んだのが、「情報処理安全確保支援士」という国家資格です。この試験は、サイバーセキュリティに関する高度な知識と実践能力が問われるもので、午前と午後の部に分かれています。午前は、コンピュータ科学やネットワーク、暗号化などの基礎知識から応用までが問われる多肢選択式。午後は、実際のセキュリティインシデントシナリオに対する対策などを論述する記述式です。かなりの難易度だと聞いています。
試験対策:過去問とAI活用法
現在は、まず午前の部突破を目指して学習を進めています。多肢選択式のため、資格試験のセオリー通り、過去問を繰り返し解くことが有効だと考えています。特に、理解が難しい問題については、AIツールを活用して小学生にも分かるように解説してもらいながら、知識を定着させています。過去問を周回することで、出題傾向や問われる知識のポイントが徐々に見えてきました。
学習で見えるようになった具体的なリスク
そして、恐ろしいことに、この学習を進める中で、これまで全く意識していなかった、あるいは軽視していた数多くのサイバーリスクが「見える」ようになってきました。例えば、職場で名札を首からぶら下げるルールであるにも関わらず、肩が凝るからとポケットに入れている行為が、物理的な不法侵入のリスクを高める可能性があること。公共の場などでパスワードを入力する際に、後方の視線を確認しないことの危険性。離席時にPCをスリープやロック状態にしない習慣のリスク。パスワードをPCモニターの裏にメモとして貼り付けておくという論外な行為。監視カメラなどのIoT機器に潜む脆弱性。そして、ファイアウォールが単なる通過点ではなく、適切に設定・管理されて初めて意味をなす防御壁であること、などです。
現代社会の最低限の義務として
これらのリスクは、知識がなければ「見えない」ため、何の対策もせずに無防備な状態になってしまいます。サイバーセキュリティに関する知識を身につけることは、現代社会に生きる私たちにとって、もはや最低限の「義務」であると強く感じています。極端に言えば、学校教育で教えるべきリテラシーの一部だとさえ思います。私の学習はまだ始まったばかりですが、この「見えるようになった世界」への意識を高め、日々の行動に活かしていくことが重要だと改めて肝に銘じています。